2018年12月25日火曜日

FXで700万円のロスカットをした

PFF太郎です。

プロフィールにも有る通り、私は20代の頃FXで700万円のロスカットを経験しています。私が初めて投資を始めたのは10代の頃。今から20年以上も前のことでしょうか。母親が証券会社勤務だったこともあり、若い頃から投資の世界に興味を持っていました。

両親が購読する日経新聞を親より先に読むような生活をしていました。当時は確かまだネット証券は無く、電話で株の売買をしていました。その頃の私の投資スタイルは業績の良い株のボックス相場になっている銘柄をコツコツ買うスタイルでした。そこそこの利益を上げていたことを記憶しています。

■仕手株情報で暴騰を経験する

当時は、今ほどインターネットは普及しておらず、今ほどテクニカル理論や、投資スタイルに関する情報はネットを探しても出てこなかったと記憶しています。ただ、インターネットで株の情報を探していると、「仕手株」に関する噂を投稿するウェブに辿り着きました。もう名前も忘れてしまい今でも存続するのかは分かりませんが、今では場所をウェブからSNSに変えて、「仕手筋」の情報を流しているような人達を見かけますね。そもそも「仕手筋」というのが実在するのかはわかりませんが。

しかし、そんな怪しい「仕手株」情報に従って、そこで「上がる」とされていた株を少し買ってみたのです。半信半疑でしたが、その株を購入して暫くすると、「上がった」のです。しかも、数%では無く、ストップ高を連続で。

その「仕手筋」の情報が真実だったかはわかりません(ただのウェブに書かれた情報なので、投稿している人たちの素性もわかりません)。しかし、そのウェブの情報に従って株を買っていると、面白いように株で利益を出すことが出来ました。

■投資から投機に夢中になっていく

そんな怪しい情報に乗っかって株の売買を繰り返して行くと、負ける時もありましたが、トータルでは勝つことが出来ていました。この時、記憶が定かでは有りませんが、100~200万円程の資金を手に入れていたと思います。

まだ10代で若かった当時は、株の面白さに夢中になり「もっと儲けたい」という気持ちが強くなりました。そこで出会ったのが為替取引の「FX」でした。

当時は今よりレバレッジをかけることが出来た筈なので、短期間で大きな利益を期待することが出来ました。当然その反対も有り得るわけですが、「自分は勝てる」という根拠の無い自信を持っていたことを記憶しています。

FXでも運良く勝つことが出来ていたため、この根拠の無い自信は増々膨らんでいきました。そして、ある日突然、地獄に叩き落とされるのでした。

■急激な円高によるロスカット。700万の損失

「自分は勝てる」と考えているから、投資の利益も、給与も全てFXの口座に投入するようになっていました。今では信じられませんが、投資で勝ち続けているとそういう心理状態になるのです。

「自分は勝てる」だから、一番稼げるFXに全てをつぎ込めばそれだけリターンも大きくなる。種銭の大きさで1%の利益は変わって来る。本当に今では「なんて馬鹿なことを…」と思いますが、投資に間違ったのめり込み方をすると「ギャンブル」で勝ち続けているのと同じ心理状態になっていくのでしょう。少なくともこの頃の自分はそうでした。

当時(2000年前半)は円安傾向に有り「ドル円は110円は日銀が死守する」という噂が真実のように語られた時代でした。基本的には110円前後になったときにロングを入れれば簡単に勝てる相場だったのです。

振り返って見ると、株は「仕手株の噂」、FXは当時の「円安という時代背景」と「日銀の為替介入」によって、勝たせて貰っていただけで、自分が優れているわけでもなんでもありませんでした。しかし、それにも関わらず、自分の限界までリスク資産に振っていました。

そんな時、2003年を境に急激に円高への進みます。「ドル円は110円は日銀が死守する」という便所の落書きを信じていた私のロスカットラインは109円位だったと記憶していますが、遂にそのラインを突破され、約700万円をロスカットするに至りました。20代前半だった自分にとって、それはほぼ全財産でした。

■教訓「勝っている時は、大金を投入したくなる」

今でこそ、笑って話せる状態になっていますが、当時はどん底でした。ロスカット直前の日には寝ることも出来ませんし、仕事も手に付きませんでした。

しかし、どれ程後悔したところで、資金は戻ってきませんし、このロスカットをきっかけとして、私は投資から足を洗うことにしました。勿論、投資をしていたからこそ20代前半で700万という大金を損することも出来たわけですが、投資をしていなければ、もう少し「貯金」出来ていたかもしれません。

当時の私が出した結論は「コツコツ働いて、貯金するのが一番。大きく増えることも無いが、損することも無い」こう考えるようになりました。そこから10年以上、株やFXの口座を開くことは有りませんでした。

しかし、この時の大失敗が有ったからこそ、学べたことが有りました。それは「勝ちが続けば、気が大きくなり、投資が最も効率が良いと考え、自分の持てる資金の大半を投入したくなる」という心理状態です。2016年以降に米国株に参入し大勝している投資家は、まさにこの心理状態になっているのではないでしょうか?そして、この心理状態のままでは、何時か大金を失います。利益も全て新しい「投機」に回してしまうからです。勝てたのは自分の実力ではなく、投資環境が良かっただけにも関わらず「実力」と錯覚し、大きな賭けに出てしまうのです。

勝ち続けて投資を引退出来る人より、いつか失敗して資金を失って引退する人の方が多いのは、この心理状態に陥っているということを理解出来ずに、投機を続けてしまうためです。

このエントリーは、私への戒めです。もしまた同じような心理状態になっていると思った時に、私はこのエントリーを見直すでしょう。そして、自分と同じ失敗をこれから投資を始める人が、同じ道を通らないように、心のブレーキになれればと思います。

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