2019年1月5日土曜日

買ってはいけない金融商品 デジタルクーポン債(仕組債)

PFF太郎です。

投資系のブログは金融商品をお勧めしていることが多いです。少し前は仮想通貨が盛んでしたし、AIを活用した自動売買(システムトレード)だったり、証券口座開設等です。これらの商材を紹介することで、読者が口座開設したり取引を開始したりすると、紹介したブロガーには紹介料が支払われます。こういった商材を紹介して紹介料を受け取る仕組みを「アフリエイト」と呼びます。

アフリエイトの仕組み自体は悪くないのですが、多くの場合紹介料を受け取るには、読者が実際に口座を開設したり、取引を開始しなければならないことが多いため「糞みたいな商材も、まるで宝石」のように紹介し、投資意欲を煽ります。投資の知識が有る人で有れば、こういったアフリエイト系の方が紹介している投資には手を出すことは有りませんが、投資知識の無い人で有れば、ひっかかってしまう例も少なく有りません。

そういった初心者の方が手を出すべきではない金融商品を「買ってはいけない金融商品トリーズ」として取り上げて行きたいと思います。

■買ってはいけない金融商品 デジタルクーポン債(仕組債)

時折証券会社から、有名企業の名前が付いた、高利率な債権の案内が来ることが有りませんか?例えばこんな感じのメールです。

年利率8.17%(税引前) アルプス電気株価連動債券

何も知らない投資家の方からすれば、アルプス電気の債権?しかも年利率8.17%!?これは申し込まないと!となってしまう方も居るかもしれませんが、良く見てください「アルプス電気株価連動債権」と有りますね。

こういった「○○株価連動債権」というような記載がされているのが、テジタルクーポン債(仕組債)と呼ばれる金融商材です。
○○の部分には有名企業や日経インデックス等、誤解しやすい名称が入っていることが多いですが、○○の部分に入っている企業とは一切関係有りません。厳密には株価のみ関係しますが、その企業が発行している債権では有りません。

では、デジタルクーポン債(仕組債)とは何でしょうか?日本証券業協会の説明を引用します。
「仕組債」とは、文字通り、一般的な債券にはみられないような特別な「仕組み」をもつ債券です。 この場合の「仕組み」とは、スワップ(※1)やオプション(※2)などのデリバティブ(金融派生商品)を利用することにより、投資家や発行者のニーズに合うキャッシュフローを生み出す構造を指します。こうした「仕組み」により、満期やクーポン(利子)、償還金などを、投資家や発行者のニーズに合わせて比較的自由に設定することができます。
良く分かりませんよね。ここがポイントです。非常に難しい説明をすることで「何か凄いものなんだ、これは」と錯覚させることが重要です。実際、証券会社や金融機関に数千万円の資金を入金していると、営業担当者から、デジタルクーポン賽の勧誘電話が有りますが、有名企業名と高い利率で関心を引き、「この高い利率を実現する仕組みが…」と続けて「難解な説明」をするわけです。

金融商品の知識の無い退職金を手にしたシニア等が標的になることが多いのですが、そういった「投資初心者」に「デリバティブ」「スワップ」「オプション」とか言われてもさっぱりわかりませんよね。しかし、ひっかかる人の心理としては、自分が理解出来ない良くわからない「難しい仕組み」だから、こんな高い利率を貰えるんだ、と誤解してしまいます。更に有名企業の名前が付いていることで、安心してしまいます。その企業は何も関係無いとは知らずに。(勿論そういう説明はされますが、人間自分の都合の良いように解釈するものです)

デジタルクーポン債(仕組債)をもう少し解説

デジタルクーポン債(仕組債)について、もう少し説明しましょう。
簡単に言ってしまえば、対象銘柄の一定期間内の株価変動幅によって、受け取る利息が変化するというものです。前述した「アルプス電気株価連動債権」の例にすると、仕組債を購入してから2年間、アルプス電気の株が当初株価(購入時に設定された株価)が105%以下~65%以上の水準で推移すれば、元本と満額の利息を受取ることが出来るというものです。

・当初株価から5%値上がりすれば早期償還
 当初の株価から5%値上がりすれば、そこで終了となり、そこまでの利息しか貰えません。
・当初株価の65%の水準を割れば、ノックイン。元本割れ。
 当初株価の65%の水準を下回れば、元本割れとなります。これをデジタルクーポン債ではノックインと呼びます。

■投資判断は自己責任

デジタルクーポン債(仕組債)は、企業の業績が良ければ即終了となりますし、下落相場では元本割れします。運良く参照企業の株価が安定していれば利息含めた満額を受け取ることは可能でしょう。しかし、昨今は株価の変動が激しいので、利息含めた満額受領することは非常に難しいと考えるべきでしょう。



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